「本音と建て前」

 業務云々は一旦置いておいて、人と話をする際に、自然と身についていることがあります。

 

それが、「本音と建前」です。

 

「本音」だけで、気持ちをストレートに表出できるのは子どもの頃までで、少しずつ知恵をつけ、表向きの言葉を武装(知恵)します。

それが、大人の「建前」です。

 

相手の気持ちを察する配慮の言葉なのですが、なかなかストレートに発せられる言葉ではありません。

 

BUMP OF CHICKENの「透明飛行船」という楽曲の中で、「多分 平気なふりは人生で重要なスキルだと思う 多岐に渉り効果を示すので 使用頻度もそれなり」という歌詞があります。

取り繕うのも子どもの頃から徐々に覚えていきますよね。

 

本音を引き出すのも技術ですが、本音を察するのも技術です。

 

その為には、経験に裏打ちされた洞察力と能力が必要です。

 

時には直感が解決の糸口になるかもしれません。

 

「身体知と言語」の著者、奥川幸子氏のグループワークに参加した際、この直感力についても語られました。

 

感情に気付き、その方のニーズとシーズを

昨今の流行りの言葉から言えば、「空気を読む」や「忖度」です。

 

その為には、「想像力」が必要になります。

時には直感が解決の糸口になるかもしれません。

 

クライエントに寄り添う慈悲の心で接することが大前提ですが、これは当たり前のことです。

 

では、どうすれば近づけるのか。

物理的な情報だけでなく、精神的にも。

しかも、人の心は変わりゆくものです。

 

私の結論は、それらを全てひっくるめて、「想像する」ことだと。

 

学生時代、トヨタ記念病院でお世話になった天野先生からは、「素振りを忘れちゃいけないよ。(天野先生は高校野球好き)特別な技術じゃなくて、当たり前のことを当たり前に、基本に忠実にだよ。僕なんかずっと素振りしてるよ。」

 

間違ってはいけないのは、適当な直感ではなく、積年の経験に伴う直感のことです。

 

凝り固まった経験は、的外れで間違った支援になるから厄介です。常に「曇りなき眼」で接しなければなりません。

 

的外れな支援を受けた方からは、「本音と建前」で、より本音が離れていってしまいます。

 

いかに限りある情報からイメージをするか。

本音を察して的確なニーズに応え支援するのか。

 

業務上のものだけではなく、人生の経験も必要でしょう。「同情と共感」の違いを理解しなければいけません。

 

「本音」を引き出すには、「ルーツ」「アイデンティティ」を知ること、肯定することなど様々です。

 

人には必ず、「ルーツ」「アイデンティティ」があります。しかし、話したい人もいれば、話したくない人もいます。

 

限られた時間で、不要な情報として精査しなければいけませんが、まずは全ての情報を吸収することと解釈しています。

 

学生時代、アメリカ人の友人からの誘いに対して、「本当は行きたいのだけど・・」と、

前置きをした上で断ったのですが、「来たいのなら、そんな前置きはいらないよ。」と、ズバッと言われたことがあります。

 

 

いや~、言葉って難しいですね。